計画に取り組む姿勢

「足立山の教会」の設計を依頼されるにあたり、取り組む姿勢を問われて、
わたしたちは次のように答えました。

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翁の耳と童の眼

私たちは建築をつくる過程をもっとも大切にしています。

施主の要望と建築に求められる機能を正確に把握し、建設敷地と周辺環境の
物理的条件と歴史的条件を理解して、最適な解答として建築計画を提案します。

建築にかかわる多くの力を結集して課題を克服し、施主が希望する建物の竣工と
その後の円満な運営を目標とします。

そのために、施主の要望をしっかりと聞き取る翁の静かな耳と、関係する人々の
夢や希望に応える童の輝くようなまなざしを忘れずに本計画に取り組んでゆきます。


素直で経済的な建築

本建物は求められる機能を素直に表現し、利用する人々の想いに誠実に応える
質実で健康なものでありたいと考えます。 

計画的、構造的、設備的、コスト的なすべての面で、信者さんが便利で安心して
利用できる建築を計画します。

十分に計画された建築は無駄がなく働きやすくそして心地よいものです。
構造的に十分練られた建築物は贅肉がなく引き締まって美しくなります。
設備的には初期投資と完成後の運転経費を吟味して最適な室内環境を設計します。
ライフサイクルコスト(建設費と維持保守改修費を合わせた建築の生涯コスト)を
最小にする視点から考え、耐震耐風強度、防水、断熱、日照、通風、耐久性
などの建築の基本性能に予算を使って、そのほかの無駄な部分のコストを抑えます。
施主の要望を正確に理解して、経済的な建築計画を進めます。

地元の信者さんたちの寄付金で賄われる教会の建設は、経済的設計だけでなく
公正な施工者選定と現場での厳正な監理により正しい資金活用が可能になります。

私たちは建築に形を与え実現することを職能としています。
それは建て主が建物を産み出すための助産婦の役割であるともいえます。
信者さんが末永く愛着を持ってくれるような素直で誠実な教会を誕生させたいと
考えています。


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