杵築

大分県国東半島のつけ根に杵築の城下町があります。
「北台」と「南台」の武家屋敷群に挟まれた谷あいに町人の町「谷町」がつづいている特殊な街の構造です。
村長は28~29歳のころ、勤務していた建築事務所の仕事で、杵築のまちなみ保存を検討するために調査に訪れたことがあります。
当時は高台の武家屋敷から見下ろす谷町には、酒屋や味噌屋の瓦葺の古くて大きな建物が軒を連ねていました。
日本中の他の町と同様に、新しいバイパス道路沿いに商業施設ができて、古い商店街は寂れてゆきつつありました。客足が減ってゆく商店街の要請で、街の保存と再生のコンサルタントが求められたのです。結局、その後私達が計画策定に関わることはありませんでしたが、高台の武家屋敷からの、谷をびっしりと埋める商家の屋根が夕陽に照らされている光景をよく憶えています。

久しぶりに訪れた杵築のまちは、谷あいの商家の多くを建替えて、道幅も拡張され、観光地として開発されている最中のように見えました。
寂しげなまちの様子が気になりましたが、他に類のない街の構造を活かしたまちづくりが成功することを祈ります。
これから20年後には、一度郊外に転出した施設が旧市街に戻ってきて、
後期高齢者になった私達が、電動車椅子で買い物ができるようなまちがきっとできることを・・・

杵築のまちに、音楽の趣味をともにされる若いご夫婦のための住宅、「つーとんの家」の設計が始まります。












