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2008年02月23日

アノニマス

通勤路になぜかほっとする住宅がある。

平屋の小さな一戸建て。
お歳の方が住んでおられるようだ。

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白い壁に鉄板屋根。木製建具に板の塀。

枯れかけた大きな樹と西陽除けの簾。

新建材も、ハウスメーカーも、住宅を設計する建築家もなかった頃の住宅。

地域とか、時代とか、そんなものがデザインしたんだろうアノニマスな住宅。







小さな白い住宅のそばにある古い白い集合住宅。

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道路には面していないこの側面のなんと無愛想なこと。

隣地側はいずれ同様の高層建築で隠れると考えて無視したのか。

西日を嫌って塞いでしまったのか。

ここにも恣意的なデザインが排除された結果の心地よさがある。

ちょっと見惚れる即物的なスカイライン。

建築と植栽

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まちの姿

いくつかの建物が集まったときの、町の景観について考えています。

世の中に大きな規範というものが見あたらない時、人々に共有する価値観のようなものが少ない時、技術が表現を規定してしまうというようなことがない時、私達は建物にどのような意匠を施すのだろう。
そもそも意匠を施すという言い方に意匠を機能や技術から切り離せるという前提がある。


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かつて、安藤忠雄さんや伊東豊雄さんはコンクリートやアルミに表現を還元してみせた。
デビューした時の妹島和代さんは軽やかな感性で謳い踊るような軌跡を形にしてみせた。
藤森照信さんは高笑いする悪党のように、見たことのないような形をいきなりポンと出す。

才能ある建築家たちは、意匠の意味を問い直すところから新しい地平を切り開いてきた。

しかし、建築家の手になる建物がまちなみを創りだすことは極めて少なく、「まちづくり」に取り組む建築家達も、伝統的デザインの他にまちなみの意匠を語ることができないでいる。
むしろ、建物が商品として「デザイナーズ○○」と呼ばれるようになり、建築の意匠は加速して消費されるようになった。

ときおり、彼の国や地方の意匠を纏いながら、誠実にデザインされた建物に出会うことがある。
それらは大抵、姿かたちや部品が何処かのスタイルを踏襲しているではなく、材料や工法や地域性に対する理解の下に建築がなされている。

石と土と木と鉄とガラスとそして人との関わりが丹念に扱われている。

私達が彼の国やその地方独特のまちなみに心惹かれるのは、きっとそのような生活に対する丁寧さと建築が経た時間の厚みだと思う。

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余剰戸数450万の住宅と過剰過大な公共建築とスクラップアンドビルドの商業建築。
量としての建築が充足しても、わたしたちのまちは何故か豊かにはならない。
皮相なスタイルやテイストに頼ることのない、誠実なものづくりが必要だと感じる。

個々が主張し突出するのではなく、かつ固定的伝統意匠に陥らないデザイン。

地球規模の課題を直視しながら、豊かな生活を求める普通の視点。

そのようなものがあるような気がする。

きっと私たちのまちの姿を誇りに思える時が来るような気がする。
その時のために建物をつくり続けたい。

2008年02月20日

コトコトのまなざし

「コトコトの家」はふつうの形をしています。

道路に面する東面は、総2階の白い切妻。そとん壁の櫛目引き仕上。

屋根は4寸9分の勾配。ガルバリウム鋼板平葺き。

切り妻の白壁の前に、一本の植栽。まだ細い株立ちのナツハゼ

北側お隣のアプローチにある槇の木が応援しています。

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1階の土間には木製の家具。

ガラスのはまった棚と、丸いテーブルと、3脚の椅子。

建て主さまのご要望は、この3つのお気に入りの家具を置いて、映える家。

それだけでした。


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横に櫛目がつけられた白壁にはふたつの小さな開口。300角のすべりだし窓。

1階土間と2階寝室から坂道の様子が伺えます。

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南面の中央には1階から2階まで通しの木製格子。

格子の内側には眺めのよい洗面室と浴室が配置されて。

格子の前にはシマトネリコが一株植えられました。

この樹は水分をたくさん要求する樹だそうです。

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キッチンを中心にしたかわいい家ができました。

奥様のまな板をきざむ音が聞こえてきます。


設計監理は坂口舞と馬場小葉紅のコンビです。

2008年02月11日

イタリアンレストラン その後

休日の夕方、予約なしでイルソルレヴァンテに行った。

5時58分にドアを開けて、
「予約してないんですけどいいですか?」
「6時からだから、外で待ってください。」
「もう6時じゃないですか。」
「いやっ!、まだ、5分あります。」
「・・・・???」

分かった!外に置いてある椅子で待たせるのがこの店の流儀なんだ。

「だって、流行ってるお店なんだもん。」

2月の夕刻の寒空に、ワインの空瓶と一緒に、交差点を見ながら、5分待った。

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ピザパイと釜焼料理は美味かったよ。


スタッフはみんなカッコよかったよ。


お客様もみんなカッコよかったよ。


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調度品の時計、鏡、彫刻、ドアノブ、フック、ランプ・・・

みんなアンチックでカッコよかったよ。

アチコチにコジコジの”ゲラン”のような太陽マークがついていたよ。


木製のオーニング窓はなぜか家内に大うけだった。

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このお店は元ラーメン屋を改造したものだそうな。
そういえば、
よく見ると、
外の自販機が納まっているのは、
元のラーメン屋の勝手口のような気がしてきた。
下の床に磁器タイルが張ってあるもの。

自販機のためにニッチをつくってあげたなんて、・・・やっぱり、無いかあ。

2008年02月10日

ヤキトン

IL SOL LEVANTEの自動販売機の横に、

肉屋とステーキ屋に挟まれて、「ヤキトン」がある。

「炭火焼豚肉専門店」  お肉の三連荘!

一度、親友だった吉田圭一郎に誘われて、夕方5時くらいから共に飲んだ。

うまい!めったに肉を食わない村長も、焼酎が進みました。

元気な若い夫婦が店をやっていて、やすい! 
「仕込んだ豚肉がなくなったら、今日は店じまいです。」

まあ、しかし、この、店の前

ガスボンベと、室外機と、ゴミ箱と、メーターと、換気扇と、植木鉢と

メニュー立て達の、その道中のなんとにぎやかのこと・・・

ワイワイ、ガヤガヤ、喋りながら、いったいどこに行くんだろう?

ウルトラスーパーな「ヤキトン」のショップファサード。

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その後、ワークススタッフで寄ったけど満席で、薬院六角にできた2号店に行った。

オーナーが2号店のスタッフを丁寧に指導してた。
やっぱり美味しかったよ。

イルソルレヴァンテ

西区で独自に”子どもの村”を実現しているクライアントから、
「警固四つ角にあるイタリアンレストランは外観が良いですよね。」

世界中の街や建物を見ている施主の言葉だ。

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"IL SOL LEVANTE"は毎朝の通勤路にある。
南仏か南伊スタイルのファッショナブルなお店ができたなと思っていた。

乾式のボードでフォルムをつくって、白くペンキで仕上げている軽さが気なっていたが、
毎朝9時過ぎにここを通るたびに、スタッフが店の前庭のセッティングをしている。

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床を掃除し、テーブルを並べ、窓の桟を拭いて、ラックにワインの壜を並べている。

道路境界の花壇には、店のネームが入った煉瓦がはめ込まれている。

上段外壁の白い面に並ぶカラフルなロゴマークもなかなか唸らせてくれる。

サッシが木製で特徴的な窓割りになっている。

白い外壁面と赤い洋瓦のプロポーションが絶妙なのに気づく。


そして昨日、タバコの自販機が、建物に埋め込まれているのを発見して、

なんか、イルソルレヴァンテがいい奴なような気がした。

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インテリアには吹き抜けがあって、オレンジ色の石釜があるらしい。

ピザを食べに入ってみようと思う。

2008年02月07日

窓辺のハート

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い~つのまに~か~

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2008年02月04日

冬の陽

WORKSは明治通り、お堀向かい、大手門東交差点そばの2階にあります。
通り沿いの窓の横に、オレンジ色のバナーが風にたなびいています。

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司法書士事務所さんと子供服やさんの間の木の階段(少し急ですが)を登ると、右側が設計室、左側がミーティング室です。

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ミーティング室には1700mm×1700mmの白いテーブルがひとつあって、まんなかに小さな花が絶えません。
設計室には2400mm×2400mmの白いテーブルがひとつあって、周囲に全員が座っています。まんなかに加湿器が置いてあります。

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古い建物で、大きなトラックが通るとゆれますが、窓の外には建物一つ見えずに、お堀と舞鶴公園の緑がどこまでも広がっています。

ぜひ遊びに来てください。
いつだったか、斉藤昌平さんのお父さんが、となりの服屋さんに来て、たまたまオレンジのバナーを見つけて、フラッと上がってきてくれました。

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